ーーーー 5. 鳴らないウクレレも鳴らしてしまおう！！ーーーー
ハワイアンクラッシクゴールド 救済 プロジェクト
２００２．１１．２３
このところ練習そっちのけで、ウクレレの箱鳴りについて研究していました。その結果ウクレレの箱鳴りは、共鳴胴の最低共鳴周波数が大きく関係しているってことが分りました。
結構理科系向けのお話なので詳しくはウクレレ研究室をみてね。
一言で言うと、ウクレレの共鳴胴の最低共鳴周波数を ３弦の開放弦の周波数２６１．６３Ｈｚ付近に調整すると良く鳴るウクレレになるのです。
さて、ウクレレの鳴りを良くする方法を見つけたところで、相変わらず鳴らないこまったちゃんのグアムのお土産ウクレレ、ハワイアンクラッシックゴールドが気になりだしました。このままでは、飾りかおもちゃのレッテルを貼られてしまいます。
たかがおもちゃ、されどウクレレ よ〜し鳴らぬなら鳴らしてみようホトトギス、題してハワイアンクラッシクゴールド救済プロジェクトなのです。
まずは研究結果により、箱鳴りのチェックをしてみたところ、最低共鳴周波数が２５０．３Ｈｚと大分低いのです。この場合の調整は、サウンドホールを削って大きくしていきます。スペアナで見ながら２５７．７ＨｚでＯＫ
これで箱は良く鳴るはずです！！
他にも気になる点が２〜３点 まずはプリッジが浮いてきています。
このブリッジ見た目もプラスティックくさいし、ネジが付いているのも鳴りを悪くしていそうです。またサドルも安いウクレレに良くある上が丸まった固いビニールみたいです。これをはずして木製のブリッジ、サドルに換えてみましょう。
ネジをはずしてみると1.5Ｃｍもあるネジでした、どうやってブリッジをはずそうかと考えるまもなく、バンと言う音とともにブリッジは吹っ飛んでいました。
しまった表板に傷つけちゃった！ と思ったのですがなんと、全面に塗装した後にブリッジを貼り付けてネジで補強してあったのです、ブリッジはきれいに取れてしまいました。
ネジ穴が痛々しいです。
  
ブリッジが外れて分ったのですが実はこのブリッジ木製でした。てかてかの塗装のせいでプラスティックみたいに見えてました。木製ならまあこれで良しとして、ブリッジの接合面の塗装を剥離材ではがします。
塗装をはがしてみるとすっごく厚い塗装ですはがした部分はかなり白く、あれスプルースだったのかな〜謎の木です。厚みも２ｍｍ以上ありそうです。力木が全然はいっていないからこのくらい厚くないといけないんだろうなあ、塗装を剥がして削りなおす程のブツでもないしまっいいか。
ブリッジを接着するのですが、最近ニカワを使い始めました。東急ハンズの日本画の画材売り場で牛のにかわを買いました。
使い方は簡単、適当な大きさに切って、水に２時間ほどつけておき、湯銭すると溶けるので、刷毛を使って接合面に塗ります。手も汚れないし、失敗したらアイロンで温めると簡単にはがせます。最近のウクレレ製作では、ライニング材を貼る時以外は全部にかわ接着にしています。おかげでブリッジはしょっちゅうはがして調整しています。
続いて気になるのはナットですなんだか柔らかそうなのです。これもはずして、全音キットに牛骨をつけたので余った全音の木製のナットに換えます。
このナットはずしてびっくり中が空洞！！ちょっと固めのビニールみたいなのです。しかも接着剤は黄色のブヨブヨしたボンドでした。普通ナットは強固に接着されているので取り外しに苦労するのですが、カッターナイフでいとも簡単に外れてしまいました。
 
弦の振動を伝える肝心要のブリッジやナットがこんな具合では、当然鳴らないし良い音なんて出ませんよね！
とうふの上に弦を張っているみたいな感じかな。これがおもちゃのウクレレの実態なのかあ、こんなのが結構でまわっているせいで、ウクレレ イコール おもちゃって思っている人が多いんだよなあってちょっと悲しくなりました。
ウクレレ買うなら２万円くらいのにしてね！って言う人が多いのも納得、でもここまで見ちゃった人っているのかしら？
てな事はさておき、ブリッジとナットをニカワでつけてサドルを交換すれば出来上がり
 
さて肝心の音はどうなったのでしょう？
これがあの困ったちゃんだったのかと思うほどの変貌ぶり、
材質や塗装の厚みが違うので、全音ほど明るい音はしませんが、これがあのベンベンって音のウクレレだったとはって信じられない感じです。澄んだ音色の結構いけるウクレレになりました。
改造前と改造後のデータの違いについてはそのうちウクレレ研究室にのせようかな。
それでは調子に乗って １曲 季節がらこんなのはいかが 加工なしの生音です。
こんな音になりました ♪ mp3 203k
さあどうでしょうか、 もうおもちゃなんていわないでね！
おもちゃのウクレレだからとあきらめているあなた、改造してみてはいかが？にかわでなくてもタイトボンドでＯＫです。でも改造は個人の責任でやってくださいね、くれぐれもサウンドホールの削りすぎにはご注意！！
この内容ってウクレレマイスターの方だったかなあ、でも前の続きでこちらにのせてしまいました。
|