ウクレレマイスターになれるかな4
(全音ウクレレキット改造)

改造というよりも、完全リニューアル

      さて、全音ウクレレキットを作成して約3ヶ月、どうも作成上のあらが気になってきました。

      というのも梅雨真っ最中の6月に作成したので、下塗りの塗料が完全に乾燥しないうちに仕上げのニス塗りをしてしまい、近くで見ると下塗りが溶けて変なむらになっている。(教訓 梅雨の色塗りは慎重に

       また、ネックもあまり成形しなかったので、高音部がかなり太い。ボディの角もカクカクで、まさに箱であり、どうも高級感に欠けるのです。

      そこで、良い音の追求としての改造も含めて、塗装を全部ひっぺがし、完全リニューアルしてしまうことにしました。

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1.あっという間に素っ裸

 まずは、表面の塗装をラッカー薄め液でおおまかにはがした後紙やすりでゴシゴシ削って塗装を完全に剥がします。

これもウクレレキットだから出来ること、市販のウクレレなら色が気に入らなくなってもなかなかこうはいかないかな。と思いつつゴシゴシ。

かくして1作目の全音くんはみるみるうちに丸裸に。



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2.ネックの成形

ネックに関してはほとんど成形をせずに接着してしまったので、高音部がかなり太くなっている事と、ヒールが大きすぎて高音部が弾きにくい。また、ネックとボディの接合部分の面積は小さい方が良い音がするらしい。

しかし、接着してしまえば後の祭り、もう一度分解するまでの勇気はありません。

ここは弾きやすさを重視、ネックは細く削り、ヒールも余分なところを削ってみました。(チョッとカーブがきつくなりました。)

ネックの接合部は、接着する前に削っておくべきだったと反省することしきり、次に作るときにはネックの成形に力を入れよっと(て、まだ作るんかい



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3.ボディの成形

 ボディの角も削ってRをつけました。

1作目を弾いていて感じたのですが、どうも高い周波数でボディが共振しているようで、特に高音部では、カンカンと響いて音の伸びがありません。

 とは言うもののどこをいじればよいのやら? 試行錯誤の結果サウンドホールを少し大きめに削ったら、共振がとまり音の伸びが良くなりました。また、サウンドホールの削り角度によってもかなり音が変化することに気づきました。

 う〜ん奥が深い

さてボディもツルツルスベスベです。





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4.色塗り

 いよいよ塗装です。色々研究した結果、顔料系の塗料で着色した後、クリヤラッカーで仕上げるのが一番良いのでは、との結論に達しました。

 オイルステインのケヤキ色を布で1回すりこんだのちクリヤラッカーで仕上げました。クリヤラッカーは1度塗りの後水研ぎ、2度塗りしてコンパウンドで磨いてみました

 今度は接写に耐える美しい仕上がりです。

ネックは今回も地の色をいかしラッカーのみのしあげです。

ヘッドの部分は黒のポアステインを塗っています。

ポジションマークもつけました。全音キットにはポジションマークの部品がありません木工ボンドはいらないからポジションマークの部品をつけて欲しいのだ!!

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5.完成

できました。う〜ん美しい 木目もきれいだし、我ながらに良く出来ました。


6.音を良くしようと改良した点について

*サウンドホールを少し大きくした

上でも記した様に、カンカンという共振が止まって音の伸びが良くなったような気がする。

*ブリッジのねじをはずした。

安全対策としてねじ止めするような設計なのだとは思いますが、直接弦の振動が伝わる部分に金属を打ち込むのは良いはずがないと思い、はずしてしまった。 案の定、さらに音の伸びが良くなったような気がする。

*ついでにサドルもはずしてしまった

全音キットのブリッジはかなり厚めです。さらにサドルをつけると弦高がかなり高くなってしまいます。そこでサドルをぎりぎりまで削ってみたりしたのですが、いっそのこと取っちまっても鳴るかいなとはずしてみたところ、みごとに鳴りました。しかもオクターブピッチもくるっていません。またまたさらに音の伸びが良くなったような気がします。

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7.反省点

       ネックの成形については上に記したとおりです。

       ほかには、力木を全く成形せずに接着してしまった点。力木が角ばっていると、立ち上がりの早い音になり、丸く削った場合、立ち上がりの滑らかな丸い音になるらしいが、現段階ではなんともしようがない。

       次の製作では力木を丸く削って確かめてみたいと思います。


8.ところで音はどう変わったの?

 どんどん音が伸びていってしまってどこまでいったのか、  こんな音になりました♪

 改造前、改造後、HOSCO、YAMAHA それぞれの音の違いは   弾き比べてみましょうのコーナー